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がまりんの日常をつづります


by akiyo_kimi24

塩の話

私は出水市今釜町という地域に住んでいます。家のすぐ裏に、高龗神社があり、通称竜王さまと呼ばれて人々に親しまれています。天水分命アメノミクマリノミコトが祀られているのですが、
「まむし」除けの神として広く知られ、この地方で、まむしを見ることはありません。
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「まむし」除けに社殿床下の砂を持ち帰り散布し、神札を受ける習わしがあります。
元禄年間この地は干拓され美田となり、水田豊穣の神として奉祀されたそうですから、このあたり一帯は海だったのでしょう。字を、宮島や八反ゴラと呼び、付近には塩田さん、塩田さん、釜さんが住み、さらに私は今釜という姓です。芋蔓をたどってゆくと、塩浜が存在していたことがわかります。
まさに今釜さんは、塩作りに関わっていたのではないかと思うのです。海水満潮面よりやや低い所に砂でできた塩田をつくり、毛細管現象を利用して海水を表面に導き、砂上に塩を析出させ、その砂を集めて海水で溶かしてかん水をつくり、釜で煮詰める方法だったとか。
力の要る仕事の名残か、今釜姓の男性は、例外なく、筋骨隆々な人々です。
しおらしい、とは、控え目で、慎み深く、可愛らしいことの例えですが、
しおらしいふりをして今釜家に嫁いできたものの、
高麗神社のまむしどころか、ウワバミの本性を現し、毎日焼酎をグビグビと平らげる私の事を、人は如何に思うのでしょう。否、共に暮らす相方は、呆れ惚けて今にも目玉が飛び出しそうな勢いです。
そんな焼酎の肴に、こだわりの塩料理を作ります。ただの漬物ですが、
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熟れてのちは薄塩(なれてのちはうすじお)
漬物はまず濃い塩で漬けておいて、よく漬かったら薄塩で漬け直すのが良いのです。人との交際も同じで、互いに馴れてからは少し淡白なくらいにしたほうがうまくいくのではないかと思います。
夫婦もまったくそのごとし、で、今や相方さんとは、飲み友だちです。
塩の漬物をちびりちびりと食みながら、差しつ差されつ焼酎を共に呑む、
宵、酔い、善いヤサ、良い、好い、快いヤサっ!
至福のひと時ではありませんか。


by akiyo_kimi24 | 2017-08-01 07:05 | 絵本と創作日記 | Comments(0)