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がまりんの日常をつづります


by akiyo_kimi24

レトロオムライス

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子どもの頃、○屋百貨店というデパートではじめて食べたオムライス。
とても美味しくて、衝撃を受けた。

年に一度、機関車←時代がわかるか・・・
で、家族で熊本に出かけた。
汽車の窓を開けると、すすが入り込んで、下車する頃には、みんなの顔が何となく黒ずんでいる。

デパートの近くに親戚があったので、そこに遊びに行くのだが、機関車に乗れることと、すすけたみんなの顔、それからデパートのレストランに入ることだけが印象に残っていて、そのほかのことはあまり覚えていない。

私は末っ子なので、たいがいはどこにでも連れて行ってもらったが、(汽車賃もタダだし、おとなしくてお利口さんだったし、何と言っても、いつもニコニコしていて可愛かった)←自分で言うか。


たまたまその年の夏、病気が悪化し、汽車に乗れなくなった。

病気と言っても、お尻の腫れ物が大きくなって、座席に座ることができなくなっただけだが・・・

仕方なく、母親と二人で留守番をした。
レストランで食事をしているだろう兄姉たちのことを思うと、恨めしくて、しくしく泣いている私。

それをみて、可愛そうだと思ったのか、

「よかもんの、つくってやろ」

母親が言った。
出てきたのは、オムライスだ。

母は、オムライスなど生涯で、その日作ったのがはじめてではなかっただろうか。

卵を平たく焼いて、いったん皿に移し、その後にケチャップで炒めたご飯を別の皿に盛り、先ほど平たく薄く焼いた卵を、上から両手で丁寧にかぶせる。
そのうえに、タップリのトマトケチャップをかける。

シエフが聞いたら、驚く作り方だろうが、そのかたちの悪い酸味の効いたオムライスが、とても嬉しくて、美味しくて、泣けた記憶がある。
レストランのオムライスの味は忘れたが、母のオムライスは、今や、私の中で名人の域に位置する。

以来、どんなに名店や、どんなに名の通ったシェフの作ったものでも、母のオムライスには勝たない。
もちろん、私の記憶の中で・・・だ。(^^)

で・・・がま家のオムライスと言ったらこれ。
これ以外に考えられない。

up用に、今日のお昼に二人前作り、婆さまと食べた。

婆さまは、いわずもがな、うんまか!を連発していた。

残念ながら、そのデパートは、大火事を出して、つぶれてしまった。
by akiyo_kimi24 | 2012-07-05 21:08 | うんまか話 | Comments(0)